失敗しない楽器選び

楽器をご注文いただく際に基本的にはそのまま承りますが、詳細をお尋ねするとこれはこうした方がいいなあと思う時が時々あります。よく吟味されたようでもうっかりすることだってありますし、ある程度慣れていないとベストな選択は簡単ではありません。特に初めてレンタル依頼をされる方にはなるほどと思われるような主な事例を書いてみました。ざっと目を通していただければと思います。

 

矢印場所を良く調べず何でもフルサイズドラム・・・
 フルサイズドラムを設置する場合、両サイドにギターアンプとベースアンプを置くことを考えると少なくても3m四方のスペースが必要です。カフェやダイニングバーなどの店舗などで十分なスペースが取れずテーブルや椅子を四苦八苦して動かしたりしたことは一度や二度の経験ではありませんし、極めつけはギターアンプとベースアンプを二段積みにしたことさえあります。こんな時はミニドラムがお勧めです。ちゃちに感じられる方もいらっしゃるかもしれませんがそんなことはない、プロのミュージシャンも愛用していますし音量的にも全く不足はありません。

うなづく女性のイラスト

 またホテル等の宴会場で度々言われることですが各会場が隣接していてバスドラ音が嫌がられるのですね。なので、電子ドラムだったらOKという所も結構あります。よく確認した方がいいですね。
 ギターアンプもクリーン系がいいのか歪系がいいのか、演奏する音楽のジャンルにどちらがふさわしいのかちょっと考えた方がいいです。もっともどのギターアンプでも両方の音はだせるのですが…。ご相談いただければ最適なアンプをお持ちするようにしています。
 ギターアンプを2台使われる場合、2台目は「モデリングアンプ」がお勧めです。各機種の特徴ある音をモデリング(サンプリング)したギターアンプで、極端に言えばJCの音、マーシャルの音などをこれひとつで出せるといシロモノです。とっても自由度が高いので2台目にはうってつけだと思います。ちなみに当社では2台ギターアンプを使った「2Gバンドセット」を提供しています。

 

スタッフの独り言・・・
バンド演奏でギターが前に出すぎているケースが多いように感じるのですが、、、
ぎゃんぎゃん音出し迫力満点ですがドラムが埋もれてボーカルは霞んであげくにはギターアンプがハウリ出したり。ここぞの晴れ舞台、腕自慢は理解できますが思うに、ギタリストさんは難聴の人が多いのでは?(笑)
・・・失礼しました。


 

矢印ピアノはPAにつなぐからキーボードアンプはいらない・・・
 時々ある「うっかり」さんです。会場の聴衆さんはそれでいいですが、肝心の自分が演奏する音は聞こえません。バンド演奏だったらドラムありギターありで全く聞こえませんよ。ピアノ単独だったとしても、外向きのメインスピーカーからの音だけでは不十分ですしピアノ本体から音が出てるように聞こえませんのでかなり違和感があります。キーボードアンプもしくはモニタースピーカーは必要ですよ。スピーカー内蔵の電子ピアノは自宅練習ならともかく会場での演奏では全く不十分だと思って下さい。

「ステージピアノ」って何?
グランドピアノやアップライトピアノが据え置き型に対してステージピアノはスタンドと本体がセパレートされていて持ち運びが容易なことが最大の特色です。明確な定義はないのですが、電子ピアノをステージ(ライブ)に特化させた機種ということでしょうか。近年は音質も増々向上し、鍵盤タッチの強弱のみならず、そこから生じる音の伸びから消音するまでの繊細な音色の変化まで生ピアノの音を再現できていて、本物を上回る評価を得ている物さえあります。

 

音質、音色、タッチは?
当社はメーカーや販売店ではありませんので詳細解説はしませんが、タッチは生ピアノに限りなく近く、音質音色は聴いてて生ピアノと違いがさほど感じられないということに尽きます。もちろんキーボードアンプやPAスピーカーの性能にもよりますが、耳の肥えた人が長く聴いて判別できるレベルだと思います。

 

ではレンタルする時はどれを選べばいい?
YAMAHA、Roland、KORG各社特色があってどれが良くてどれが劣っているというレベルではありません。鍵盤タッチと音色のフィーリング、各自のお好みとしか言いようがないと思います。各社とも最上位機種と下位機種の違いは音色の多さや機能の豊富さ鍵盤の種類の差だと言ってよいでしょう。数曲のライブ演奏ということでしたらさほどこだわる必要はないのではないでしょうか。当社ではプロでも使用しお手軽料金で提供できるステージピアノを上記3社の製品の中から選んでお持ちするようにしています。

説明する女性のイラスト

 

エレクトリックピアノとデジタルピアノ、電子ピアノはどっち?
 結論から。エレクトリックピアノ=電気ピアノ(弦などをハンマーで叩き、音を拾って電気信号に変換しスピーカーで音を出す)、エレクトロニックピアノ=電子ピアノ(電子回路で音を合成する)ということになっています。
 エレピって聞いたことありますよね?これは電気ピアノのことです。ほとんどの電子ピアノやシンセサイザーにはこの音色が搭載されています。キーボード奏者にとってはこれなくては始まらないっていうほどの音色ですね。ヴィンテージ系のローズ音(ハンマーで音叉を叩く)、ウーリッツアー音(金属片=リードをハンマーで叩く)、ホーナー音(リードにくっ付けたゴム吸盤が離れるときの音を拾う)などが有名です。
 さてデジタルピアノはと言うと、電子ピアノがエレクトロニックピアノと言われるのはあまりなく、横文字ではデジタルピアノと称されるのが多いようです。KAWAIは終始デジタルピアノと言ってます。
 ではデジタルの反対でグランドピアノは「アナログ」ピアノ?そんな事はないですね。アコースティックピアノですね。ミキサーなどではデジタルミキサー、アナログミキサーと言いますがピアノやギターではアナログではなくアコースティック。それじゃあ「デジタル」ギターかあ?いやいや「エレキ(エレクトリック)」ギター。
ああ、ややこしい・・・


 

矢印会場の音響設備を使うからPAセットはいらない・・・
 本当にそれでいいのでしょうか?設備音響ではスピーカーは天井(壁)からの吊り下げ方式になっていて前後四方から音を出すシステムになっているケースが多く、正面(ステージ)からだけ音が聞こえる分けではないのですね。会場の隅々まで音を届けるには都合がいいのですが、ボーカルさんの歌声は前後左右から聞こえるのに楽器の演奏音は正面だけから・・・というのはちょっと違和感がありますよね。やはり正面ステージ側に設置したスピーカーからボーカルも楽器も聞こえた方がライブ感が生まれます。そう言った会場でしたら、もしご予算が許せばPAセットも準備された方が臨場感が生まれて良いと思います。

 

矢印ボーカルさん用の返し(フロアモニター)はどうしよう・・・

 

ボーカルのイラスト

 バンドセットと簡単PAセットを注文いただくときこちらの方からまずお尋ねするのがこれです。バックでドラムやベース、ギターなどが演奏されていて最前列に位置されるボーカルさんは自分の声をどうやって聴いているのでしょうか。外に向いているメインスピーカーからだけではかなり聴き取りにくいはずです。バラードのような曲だったら多少はマシですが軽快なポップであったりロック調な曲では楽器音に自分の声が消されてしまいます。そのせいでマイクの音量を上げすぎハウリングを起こしてしまうこともあります。
 場合にもよるでしょうけど、ボーカルさん10人に聞けば10人とも返しのモニタースピーカーは欲しいと言うと思います。アカペラなどでは不可欠でしょう。会場環境や演奏曲などをよく検討されて選択された方がよいでしょう。

 

矢印野外で使用される際の「落とし穴」・・・
 そう、お分かりですね、電源です。電気がなければ機器は何にも作動しません。このことがスッポリ頭から抜け落ちているのですね。近くに建物があってそこからリールコードを引っ張って来れればいいのですが、ほとんどの場合「発電機」が必要です。発電機も大小があって使用する楽器やPAによって必要なワット数が違い、料金も変わって来ますので事前にご相談下さい。